のんびりおうちでアーケード基板

おっさんがアーケード基板について語ったり語らなかったりするユルいブログ。

アノードキャップを外してみた!

以前から、やろうやろうと思いつつも、高電圧に対するビビリで実行に移せなかった、故障したモニタ基板、ネック基板の取り外しをついに実行しました。
先日ネタにしたモニタ修理の情報で、まだ修理できる可能性があることがわかったことと、今月末に格闘ゲーム合宿を開くことになっているときに、筐体が使えないのは正直いただけないという思いが後押しして、思い切って挑戦してみることにしたのでした。もっとも、ビビッて作業を躊躇している間に、通電しなかった期間が丸4ヶ月もあったので、よほど大丈夫だろうという気持ちもあったのですが。
まずは、モニタ基板の外し方の参考となるサイトの該当ページを開いて、もう一度熟読してみました。もう散々読んでいるページなので、手順は頭に入っているのですが、知識の再確認ということで。


ココロの準備を終えて、実作業に入ります。実は全工程を写真に収めようかと思ったのですが、筐体内は暗くて、iPhoneでの撮影は無理でした。手元にフラッシュの付いたちゃんとしたデジカメ(でも古くて画素数少なめ)もあるのですが、運悪くバッテリーが切れてて、駄目でした。
まずは、最初にして最大の難所、アノードキャップの取り外しです。上の参考サイトに該当部分の写真がありますが、吸盤のようになったゴム製のキャップがブラウン管に接続されています。ここに高電圧がかかっています。ここから伸びているケーブルの太さからも電圧の高さが伺えますね。とりあえず、地の厚めなゴム手袋を装備して、恐る恐るゴムのキャップをめくってみます。よくゴム手袋をしていても静電気のようなものを感じると聞きますが、そういう感じは全くなく、ちょっとホッとしました。意を決して、コネクタを外します・・・が外れません。少し浮かび上がる感じになるのですが、外れる気配がなく、引っ張る方向を変えたり、少々力を入れても、駄目でした。
無理やり外すわけにはいかないので一旦作業を止め、PCの前に戻ると、自分が汗だくになっていることに気が付きました。エアコンの効いている部屋にもかかわらず、この汗・・・どんだけ緊張してるんだよと思わず自嘲してしまいました。
困った挙句、Twitterに泣き言をPOSTすると、その筋の有識者の方から、有難いアドバイスを頂くことが出来ました。実際はその通りにやったわけではないですが、ゴムのキャップをめくり、コネクタを持ち上げつつ、下のほうに引っ張るとフックが片方外れました!そのままもう片方のフックも外し、無事アノードキャップをブラウン管から取り外すことが出来ました。



なんともシンプルな構造のコネクタというかフックなんですが(ブラウン管側もぽっかり穴が開いてるだけ)、高電圧がかかっているんですね。単純な構造だからこそ、なのかも知れませんが。


最大の山場を越えたので、あとは各基板の取り外しです。
まずはネック基板をブラウン管から、そっと抜き取りました。これは以前もやっているので、サクッと完了です。

真ん中の白いコネクタの部分が、ブラウン管の電子銃に接続する部分になります。ここも高電圧部位なんですよね。


次はモニタ基板なのですが、ネック基板も含めて、その前にブラウン管等に接続されたケーブル類を外す必要があります。元に戻すときに間違えないように、モニタ基板、ネック基板のそれぞれに接続されているケーブルの種類*1とコネクタの場所と差し込む向きをしっかり記録してから、ケーブルを外しました。実はもう1本モニタ基板に刺さっているケーブルがあったのですが、それは電源ケーブルで、かつ、手前に大本の大きなコネクタがあったので、基板上のコネクタは挿したままで、元のほうを外しました。出来るだけ戻すときに挿し直すコネクタは少ないほうがいいってことで。


さて、ケーブル類を外して、これで取り出せるかと思ったら、もう1つ外す必要のあるケーブルがありました。ケーブルを辿ると、コンパネ側につながっているようなので、見てみると、モニタ調整パネルでした。画面サイズとか、位置、RGBの強さ、明るさを調整するボリュームが載っている基板です。この基板も送ったほうがいいだろうと、ケーブルはモニタ基板から外さずに、調整パネルをコンパネ側から取り外しました。
今度こそ、モニタ基板を筐体から取り出します。筐体に固定してあるネジを外し、モニタ基板から取り外したケーブルや、スピーカーケーブル、ブラウン管の電子銃部を避けつつ、引っ張り出します。ちなみにこの時点で、ネック基板と調整パネルはすでに筐体から取り出してあります。

画像の右上にある黒い大きな部品がいわゆるフライバックトランスというやつで、ここが故障すると修理不可になってしまいます。


モニタ基板、ネック基板、調整パネル、アノードキャップと、今回筐体から取り出したモノを並べてみました。

いやー、おっかなビックリでしたけど、何事もなく作業を終えることが出来ました。よかったよかった。


問題のネック基板です。

わかりにくいですが、基板上に亀裂が走っています。モニタを回転させたときに、筐体のフレームにぶつけてしまい、メキョッとなったのだと思います。おそらくは亀裂が走った箇所の部品が壊れたか、パターンが断線してしまったのだと思います。丸ごと交換できれば、早いのかもしれませんが、TOSHIBA PB7534用のネック基板って、単体で買えそうにないんですよね*2


その後、サイズの合う箱を探すのに苦労しながら、梱包作業を終えました。あとは症状と故障原因等を書いた送り状を作って、宅配便で送るだけです。
そうそう、京浜サービスさんに納期を確認したところ、物が届いてから2〜3日(営業日?)で修理・返送していただけるとのことでした。実は想像していたより全然早いんですけど*3、それより早いサンメックさんって、メチャクチャ早いですね。「高速返却」と言われるのも納得が行きますね。営業で使用されている方からすれば、売り上げに直結するので、2〜3日でも遅いということなんでしょうね、きっと*4


というわけで、アノードキャップを外して、モニタ基板を取り出すというミッションは成功しました。欲を言えば、アノードキャップから放電する技術も身に付けたいところですが、さすがに難しいですかね?道具もいるし。

*1:モニタ基板に4本、ネック基板に1本刺さっていた。

*2:大分昔に、オークションで1回だけ見かけたことがあります。予備用に買っておけば良かったかも。

*3:2〜3週間、下手すりゃ1ヶ月を覚悟してました。

*4:京浜サービスさんは、先出し修理も行っているので、そこまで影響が出るわけではなさそうですが。